こんにちは。じゃっきーです。
研究方法についても、計画書へ「すぐに使える」、をモットーに、簡潔に述べていきたいと思います。
ラインナップは、以下の2つです。
1.調査期間
2.対象者
それでは、早速、はじめていきましょう!
【調査期間の設定】
研究の調査期間って、いったい何日にすれば良いの?
研究初心者であれば、この一部分でも、迷ったりするものです。
では、ずばり、結論から申し上げましょう。
『調査期間は、何日間とか、何カ月とか、特に決まりはありません。』
え?、どうしたらいいのかを、教えてほしいのに。。。
初心者には、この自分で決めてくださいという、ケースが一番困りますよね。
というのも、理由があるからです。
すごく短い期間は、収集するデータも限られてしまいます。
反対に、長すぎる期間は、テーマを時代遅れにさせてしまったり、他の研究者に先を越されてしまったりする、可能性があるからです。
したがって、自分の研究に合わせた、適当な期間を、十分に検討しておくことが必要となるのです。
しかし、本ブログは、忙しい「臨床看護師向け」です。そんなあなたに向けて、有効な情報をお伝えします。
それは、
『まずは、先行文献を真似て、類似した調査期間にしてみる』
です。
以前も、お話ししましたが、研究初心者であれば、真似るが基本です。ぜひ、参考にしましょう。
かといって、それぞれ研究者によって、施設も違いますし、業務負担も違います。
どれぐらいの調査期間が確保できるのか、少し考えてみます。
例えば、私が勤務する施設では、毎年、研究発表会が年度末に開催されます。
ということは、
「1年間で研究を完結する必要がある」
ということになります。
しかも、
「その年の、研究担当者」
が、決められます。
小規模病院になればなるほど、研究に関心がない職員がほとんどです。
経年で、同じ職員が、同じテーマの続きを進めていく、なんてことは稀(マレ)です。
ということは、1年間の中で、研究の仕方を学び直し、研究計画を立て、
研究を実施して、成果をまとめる、という膨大な作業が、その年限定の研究担当者によって、行われるのです。
ですので、長期間の調査期間は、まず、考えられない、というのが現場の思いでしょう。
かといって、1週間、2週間では、思ったとおりの効果を検証できないだろう。
そこで、期間として、確保できるのが、『1カ月から3カ月』程度ではないでしょうか。
1年の間で、臨床現場をこなしながら、研究を進めていくために、「この期間だったらできる」という、
「物理的に研究が遂行できること」にも、重きを置く必要があるのではないでしょうか。
【対象者の選び方について】
例えば、研究テーマが、
「認知症病棟で働く看護師・ケアスタッフのストレス状態」であれば、
本当なら、
『(全国の)すべての認知症病棟で働く看護師・ケアスタッフ』(母集団)
が、研究対象となります。
しかし、すべての者を対象とすることは、とても難しいのが現状ですよね。
そこで、研究対象にできる、サンプル(標本)を対象として、得られた結果を、代表させていくことになります。
分かり易く、上記のテーマを使って例を述べますと、
認知症病棟で働く看護師・ケアスタッフ(母集団)の中でも、今回は、
「A病院の認知症病棟で働く看護師・ケアスタッフ」を研究対象としてみます。
研究では、この対象から結果を導き出します。
余談ですが、この結果によって、「全国の認知症病棟で働く看護師・ケアスタッフ」からも、おそらく、同じ結果が得られるだろう、と示されることになるのです。
したがって、今、ここでは難しく考えず、
「A病院の認知症病棟で働く看護師・ケアスタッフ」
を研究対象とします。
ちなみに、前述を分かり易くするために、研究用語を簡単に説明しておきます。
母集団とは、研究対象となる、ある特性を有する、すべての人間集団のことです。サンプル(標本)とは、その母集団から、抽出された一部の人の集合のことです。
さて、
あと、初めて研究をする時に、あなたが迷うことがあるのは、
『対象数』でしょう。
対象をどのくらいにしたら良いのかは、研究デザインにもよります。
面接を行うような研究では、数名の対象者となるでしょう。
統計処理などを行う研究を、計画予定であれば、対象者数を
「60名以上」
になるように、しておきましょう。
なぜなら、n≧60の時は、正規分布と一致すると、みなしてよいと、されているからです。
正規分布?なんか、聞いたことがあるけど、難しそうですよね。
興味のある方は、統計についても、少し勉強されても良いと思います。
ただし、本ブログは、「臨床看護師向け」であり、忙しい勤務の合間に、特に、初めて研究計画書を作成する方に対して、発信しています。
そのため、ここでは、高度なテクニックについては、割愛させていただきます。
楽しく、できるだけ簡潔に、研究計画書を作成していただきたい、と思っています。
【調査期間・対象者 まとめ】
1.調査期間は、何日間とか、何カ月とか、特に決まりがない。
2.調査期間も、先行文献を真似て、類似した調査期間にしてみる。
3.サンプル(標本)とは、その母集団から、抽出された一部の人の集合のことであり、あなたの現場で研究対象にできる、サンプル(標本)を対象にしよう。
4.対象数は、研究デザインによって決める。
以上です。
また、次回、お会いできるのを楽しみにしております。
【参考文献】
・よくわかる看護研究の進め方・まとめ方 量的研究のエキスパートをめざして 第2版 医歯薬出版株式会社
・ナースのための質問紙調査とデータ分析 第2版 医学書院
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